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【東京気まま散歩その2】文豪・夏目漱石と江戸っ子・夏目金之助
小学生の時、親戚から文豪・夏目漱石の伝記を譲り受け
読んだ事があります。
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漱石の本名は「金之助」であること
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里子に出されたり、出戻ったりと家庭に複雑な事情があったこと
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後の俳人・正岡子規と親友で、俳句や漢詩で小粋なやりとりをしてたこと
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長兄に英語を叩き込まれていたこと
などが、とても印象に残っています。
しかしなんといっても私の中で「江戸っ子」のイメージは
夏目金之助だったんですね。

東京の下町を存分に楽しんでいるイメージだったんです。
東京で働くようになってから、漱石所縁の地
例えば神楽坂エリアなどに寄ったりすると
自分には所縁がないのに、どこか懐かしいような気分になっていました。
不思議なものです。

毎日の日常生活に追われ「いつか行こう」で
行く機会を自ら潰していたものは、沢山あります。
しかしこのコロナ禍を経て、機会は作るものだと感じました。
そこで今回初めて、文豪・夏目漱石の博物館に行く事にしました。
【東京気まま散歩その2】文豪・夏目漱石のミュージアムに行ってみよう
夏目漱石専門の博物館、その正式名称は「新宿区立漱石山房記念館」
東京は早稲田にあります。
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新宿区立漱石山房記念館
soseki-museum.jp
元々、漱石は新宿区生まれで、晩年も新宿で過ごしました。
晩年の住居が「漱石山房」と呼ばれたそうで、その跡地に新宿区が記念館を設立し
その名を継承されたのですね。
最寄駅は東西線の早稲田駅と、都営大江戸線の牛込柳町駅。
散策しながら立ち寄る場所としては、とても良いエリアです。

当日は、記念館から程近い早稲田小学校で入学式があったようで
歴史ある校舎と門の佇まいに、アカデミックな機関としての貫禄さえ感じました。
桜との調和と春風が心地よく、訪れる季節としては最適だったかもしれません。
【東京気まま散歩その2】漱石山房|明るく洗練された記念館
牛込柳町から徒歩で約15分。
細い路地の道中に、ふっと開ける場所が見えます。

館内の受付でチケットを購入。
大人一般は300円です。
同階にはブックカフェや、グッズを扱ったミュージアムショップを始め
奥には、なんと漱石山房の再現展示室もありました。
上階には、通常展示や特別展示が。
そして階下には、講座室や図書室があるとのこと。
ガラス窓近くにはブックカフェのエリア。
明るく抜け感があるのが、とても開放的で良い雰囲気でした。
平日だったせいか見学者も少なく、リラックスモードに溢れる空間

漱石山房|クールでモダンな再現展示室
受付から奥へ進むと、漱石の書斎である漱石山房があります。
画家で言えば、アトリエのようなスペース。
その空間美は圧巻でした。
板間のフローリングに、赤の華やかな絨毯。
堆く積み上がった書籍を背景に、凛と佇む文机。
※こちらの展示エリアは、写真撮影も可能。

漱石が決めた、住所を持った物の配置を感じました。
作家としてのクリエイティビティは、ご自分の居場所にも活かされていたようです。
とてもモダンで、今にも通じるような普遍的な心地よさ。
「こういうお部屋に住んでみたい」と思う人も多いかもしれません。
漱石山房|展示エリアを観覧
館内には移動スペースにも、漱石が残した言葉や小説からのフレーズなどが掲出されています。
類稀なる卓越した日本語を使う作家ならではの、言葉の持つ力。
こうして壁に飾られて、絵画にも匹敵する効果が生まれる事に驚きました。


私が行った時のテーマ展示は
「漱石からの手紙 ー 友、門下生、読者への思い ー 」となっていました。
漱石の直筆の手紙や葉書を見る事が出来たのですが
やはり親友、正岡子規との漢詩のやりとりがとても小粋でした。
また文字の達筆さには感動しました。

時代が違うとはいえ
昔の日本人は精神的に大人だったのでは、と思わずにいられない程です。
また、漱石は絵葉書も嗜んでいたようで
絵画にも関心が高かった事が窺えました。
作家性は、作家自身の興味・関心ごとから
より深く反映されるものなのかもしれません。
漱石山房|ミュージアムショップでお買い物を楽しむ
今回、この漱石山房を訪れる際にオフィシャルサイトを覗いてみたので
このミュージアムショップも楽しみのひとつでした。
ガイドブックは勿論欲しいと思っていたのですが
絵葉書としおりも気になっていて、行ってみて決める事に。
そして実際、購入したものがこちらです。(中央のパンフレットは除く)

切手に原稿用紙やノートなど、実物を見たら
「ちょいレトロ」な雰囲気にすっかり魅了されてしまいます。
文具関係だと日常的に使いやすい事もあり、惜しみなく買う事に決めました。
【東京気まま散歩その2】漱石山房|訪れてみて|まとめ
今回の気まま散歩は、漱石の元を訪ねるちょっとした旅でもありました。
行きも楽しく、帰りも近所の小学生が遊ぶ姿を横目に
清々しい気分でした。
また、展示内容などの機会をみて訪れたいですね。
他にも、養源寺、三四郎池、羽二重団子本店、子規庵などなど
漱石所縁の場所は色々とあるので、その地にも足を運びたいと思っています。